2006年09月09日
2 友達の店

今回は、友達の店というには恐れ多い伝説のBarを紹介します。
かつて薬院大通りの交差点傍の、日産のショールームから路地に入ると、右手にHIGUCHIというBarがあった。1950年代の創業でカウンターに8席程度の小さな店だった。
二十代のころ初めてマスターと出会った。勿論、年上の誰かに連れて行かれたのだと思う。店に入るとカウンターの中の棚に並んだ酒の種類に圧倒された。見たこともない形とラベルの瓶が棚からはみ出すように並んでいた。当時、ほとんど下戸だった私には何がなにやら。只一つ頭に浮かんだ事は「若造の来れる店じゃなかった」ということ、緊張してスツールにかけてどうしていいか解らずにいると、寡黙に見えたマスターが意外にも丸出しの博多弁で話しかけてくれた。酒の知識など全く無く、旨いとも思っていなかった私はコーヒーを飲んでいたように思う。そして、意外にも饒舌なマスターの酒談義を聞きながらずうずうしくも何杯が試飲させてもらった。
フィルムノワールの映画の舞台のような店、片足をわずかに引きずる初老のマスターが一人。酒のことを知るようになって解った、コレクター垂涎の銘酒たち。いつしか私は、一人でふらりと立ち寄るようになった。

残念ながら、今年六月で閉店してしまったが、現在、再開の準備中と聞いている。白金か警固の細い道の奥にいつかまた忽然とBar HIGUCHIが現れてくれることを心より願っている。
Posted by SEAGAL at 11:54│Comments(0)
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